VS CodeでJupyterを使う方法とメリット

プログラミング

Visual Studio Code (VS Code) で Jupyter Notebook を利用する方法

Visual Studio Code (VS Code) は、軽量でありながら強力な機能を持つコードエディタです。その拡張機能の豊富さから、様々なプログラミング言語や開発環境に対応しており、Jupyter Notebook もその一つです。VS Code 上で Jupyter Notebook を利用することで、データサイエンスや機械学習といった分野における開発効率を大幅に向上させることができます。

VS Code で Jupyter Notebook を利用するための準備

VS Code で Jupyter Notebook を利用するには、いくつかの準備が必要です。

1. Python のインストール

Jupyter Notebook は Python で動作するため、まずはお使いのシステムに Python がインストールされている必要があります。Python の公式サイトから最新版をダウンロードし、インストールしてください。インストール時に、PATH に追加する オプションを有効にしておくと、コマンドラインから Python を呼び出しやすくなります。

2. VS Code のインストール

まだ VS Code をインストールしていない場合は、公式サイトからダウンロードしてインストールしてください。

3. Jupyter 拡張機能のインストール

VS Code の拡張機能マーケットプレイスから「Jupyter」拡張機能をインストールします。VS Code の左側にある拡張機能アイコン(四角が4つ組み合わさったようなアイコン)をクリックし、検索バーに「Jupyter」と入力すると表示されます。インストールボタンをクリックすれば完了です。

4. Python 拡張機能のインストール(推奨)

「Python」拡張機能も同時にインストールしておくことを強く推奨します。これにより、Python コードの補完、デバッグ、リファクタリングなどの機能が強化され、Jupyter Notebook 内での開発体験が向上します。

VS Code で Jupyter Notebook を作成・実行する方法

準備が完了したら、早速 VS Code で Jupyter Notebook を作成し、実行してみましょう。

1. 新規 Jupyter Notebook の作成

VS Code のコマンドパレットを開きます(Ctrl+Shift+P または Cmd+Shift+P)。コマンドパレットに「Jupyter: Create New Jupyter Notebook」と入力し、選択します。
すると、新しい `.ipynb` ファイルが作成され、VS Code のエディタ領域に表示されます。

2. カーネルの選択

Notebook を作成すると、画面上部に「Select Kernel」という表示があります。ここをクリックして、使用する Python 環境(カーネル)を選択します。インストールされている Python 環境や仮想環境などがリストアップされるので、適切なものを選択してください。

3. コードセルの追加と実行

Notebook は「セル」と呼ばれる単位で構成されます。コードを実行する「コードセル」と、説明文などを記述する「マークダウンセル」があります。
コードセルを追加するには、Notebook の上部または下部にある「+ Code」ボタンをクリックします。
セルに Python コードを入力し、セルの左側にある実行ボタン(▶︎)をクリックするか、Shift+Enter を押すことでコードを実行できます。実行結果はセルの下に表示されます。

4. マークダウンセルの利用

説明や解説を Notebook に含めたい場合は、コードセルと同様に「+ Markdown」ボタンをクリックしてマークダウンセルを作成します。Markdown 記法を使って、見出し、リスト、強調、リンクなどを記述できます。セルを編集モードからプレビューモードに切り替えることで、書式が適用された状態を確認できます。

VS Code で Jupyter Notebook を利用するメリット

VS Code を使って Jupyter Notebook を利用することには、多くのメリットがあります。

1. 統合された開発環境

VS Code は、コードエディタ、デバッガ、ターミナル、Git 連携など、開発に必要なあらゆる機能が統合された IDE です。Jupyter Notebook を VS Code 内で利用することで、Notebook の作成・編集・実行から、コードのデバッグ、バージョン管理まで、すべてを一つのウィンドウで完結できます。これにより、コンテキストスイッチの頻度が減り、作業効率が大幅に向上します。

2. 高度なコード補完とインテリセンス

Python 拡張機能と連携することで、VS Code は Jupyter Notebook 内でも高度なコード補完(IntelliSense)を提供します。関数や変数の候補が表示されるだけでなく、ドキュメントの表示や型ヒントなども利用できるため、コードの記述ミスを減らし、開発速度を加速させます。

3. デバッグ機能の利用

Jupyter Notebook のコードをデバッグする際に、VS Code の強力なデバッガを活用できます。ブレークポイントの設定、変数の監視、ステップ実行などを Notebook 内で行えるため、複雑なバグの原因特定が容易になります。

4. バージョン管理との連携

VS Code は Git との連携が非常に強力です。Jupyter Notebook ファイル(`.ipynb`)も Git の管理下に置くことができ、変更履歴の確認やコミット、プッシュといった操作を VS Code 上で行えます。これにより、コードの共同開発や変更履歴の管理がスムーズになります。

5. 拡張機能によるカスタマイズ性

VS Code の最大の強みの一つは、その拡張性の高さです。Jupyter 関連の拡張機能だけでなく、データ可視化ツール、データベースクライアント、クラウドプラットフォーム連携など、様々な拡張機能をインストールすることで、Jupyter Notebook の利用体験をさらに豊かにすることができます。

6. パフォーマンスと応答性

VS Code は比較的軽量なエディタであるため、大規模な Notebook や複雑なコードでも快適に動作することが期待できます。Web ベースの Jupyter Notebook 環境と比較して、パフォーマンス面での優位性が見られる場合があります。

7. コードとドキュメントの分離(マークダウンセル)

Jupyter Notebook は、コードとそれを説明するテキスト(マークダウン)を組み合わせることができる点が特徴です。VS Code のマークダウンセル機能は、この特徴を最大限に活かし、コードの意図や分析結果を明確に伝えるためのドキュメント作成を容易にします。

8. 共同作業の容易さ

`.ipynb` ファイルはテキストベースであるため、Git などのバージョン管理システムで管理しやすく、チームでの共同作業に適しています。VS Code 上でこれらのツールをシームレスに利用できるため、共同開発のプロセスが円滑になります。

その他

* **Jupyter Lab との違い**: Jupyter Lab は、より包括的な Web ベースの統合開発環境であり、Notebook、ターミナル、ファイルブラウザなどをタブで管理できます。VS Code は、あくまでコードエディタをベースにした統合環境であり、Jupyter Notebook はその機能の一部として提供されます。どちらが良いかは、個々の好みやプロジェクトの要件によります。
* **環境構築の重要性**: 複数の Python 環境(例:Anaconda, venv, conda-forge)がある場合、Jupyter 拡張機能で正しくカーネルを選択することが重要です。これにより、依存関係の競合などを避けることができます。
* **ショートカットキー**: VS Code の Jupyter 拡張機能には、Notebook の操作を効率化するための様々なショートカットキーが用意されています。これらのショートカットキーを覚えることで、さらに作業スピードを上げることができます。

まとめ

Visual Studio Code で Jupyter Notebook を利用することは、データサイエンスや機械学習エンジニアにとって、非常に強力で効率的な開発ワークフローを構築する上で不可欠なスキルと言えます。VS Code の統合された開発環境、高度なコード補完、デバッグ機能、そして豊富な拡張機能の恩恵を受けることで、Jupyter Notebook を使った開発体験は格段に向上します。まだ VS Code で Jupyter Notebook を試していない方は、ぜひ一度その利便性を体験してみてください。