Pythonでファイルの最終更新日時を変更する

プログラミング

Pythonでファイルの最終更新日時を変更する

Pythonを使用してファイルの最終更新日時を変更することは、ファイル管理やバックアップ、テストデータの生成など、様々な場面で役立ちます。この操作は、オペレーティングシステム(OS)のファイルシステムが提供する機能に依存しており、Pythonでは主にosモジュールとpathlibモジュールを使用して実現できます。

osモジュールを使用した最終更新日時の変更

osモジュールは、PythonでOSと対話するための機能を提供する標準ライブラリです。ファイルの最終更新日時を変更するには、主にos.utime()関数を利用します。

os.utime()関数の基本

os.utime(path, times=None, *, ns=None)

この関数は、指定されたパス(path)のファイルのアクセス時刻と最終更新時刻を設定します。

* path:時刻を変更したいファイルのパスを指定します。
* times:タプル形式で、(アクセス時刻, 最終更新時刻) を秒単位の浮動小数点数または整数で指定します。この引数を省略した場合、現在の時刻が使用されます。
* ns:タプル形式で、(ナノ秒単位のアクセス時刻, ナノ秒単位の最終更新時刻) を指定します。これは、より高精度な時刻設定が必要な場合に使用されます。

最終更新日時を特定の時刻に変更する例

特定の年、月、日、時、分、秒を設定してファイルの最終更新日時を変更する例を見てみましょう。まず、Pythonのdatetimeモジュールを使用して、目的の時刻を表すdatetimeオブジェクトを作成します。その後、datetimeオブジェクトをUnixエポック(1970年1月1日午前0時0分0秒UTC)からの経過秒数に変換する必要があります。timestamp()メソッドがこの変換を行います。

“`python
import os
import time
from datetime import datetime

file_path = ‘my_file.txt’
# 変更したい日時を指定 (例: 2023年10月27日 10時30分00秒)
new_datetime = datetime(2023, 10, 27, 10, 30, 0)

# datetimeオブジェクトをUnixタイムスタンプ(秒)に変換
new_timestamp = new_datetime.timestamp()

# os.utime() を使用して最終更新日時を変更
# (アクセス時刻も同じ値に設定する場合)
try:
os.utime(file_path, (new_timestamp, new_timestamp))
print(f”‘{file_path}’ の最終更新日時を {new_datetime} に変更しました。”)
except FileNotFoundError:
print(f”エラー: ファイル ‘{file_path}’ が見つかりません。”)
except Exception as e:
print(f”エラーが発生しました: {e}”)
“`

このコードでは、まずmy_file.txtというファイルが存在することを前提としています。存在しない場合は、FileNotFoundErrorが発生します。

最終更新日時を現在の時刻に変更する例

ファイルの最終更新日時を、コードを実行した現在の時刻に変更したい場合は、times引数を省略するか、Noneを設定します。

“`python
import os
import time

file_path = ‘my_file.txt’

# times引数を省略して現在の時刻に設定
try:
os.utime(file_path)
print(f”‘{file_path}’ の最終更新日時を現在の時刻に変更しました。”)
except FileNotFoundError:
print(f”エラー: ファイル ‘{file_path}’ が見つかりません。”)
except Exception as e:
print(f”エラーが発生しました: {e}”)
“`

この方法で、ファイルの「更新」操作をシミュレートすることができます。

高精度な時刻設定(ナノ秒単位)

os.utime()関数のns引数を使用すると、ナノ秒単位での時刻設定が可能です。これは、特にファイルシステムのタイムスタンプの精度が要求される場合に役立ちます。

“`python
import os
import time
from datetime import datetime

file_path = ‘my_file.txt’
# 変更したい日時を指定 (例: 2023年10月27日 10時30分00秒 123456789ナノ秒)
new_datetime = datetime(2023, 10, 27, 10, 30, 0, 123456) # マイクロ秒まで指定可能

# datetimeオブジェクトから秒とナノ秒を取得
timestamp_sec = new_datetime.timestamp()
# datetimeオブジェクトのマイクロ秒部分からナノ秒を計算
# (datetime.timestamp() はマイクロ秒までしか返さないため、残りを計算)
nanoseconds = new_datetime.microsecond * 1000
# ns引数で渡すタプル (アクセス時刻のナノ秒, 最終更新時刻のナノ秒)
# times引数も併せて指定すると、ns引数が優先される場合があります。
# ここでは times 引数も指定し、ns 引数で高精度な値を設定します。
# times 引数には timestamp_sec を整数部として渡します。
try:
os.utime(file_path, (int(timestamp_sec), int(timestamp_sec)), ns=(nanoseconds, nanoseconds))
print(f”‘{file_path}’ の最終更新日時を {new_datetime} (ナノ秒精度) に変更しました。”)
except FileNotFoundError:
print(f”エラー: ファイル ‘{file_path}’ が見つかりません。”)
except Exception as e:
print(f”エラーが発生しました: {e}”)

“`

注意点として、OSやファイルシステムによっては、ナノ秒単位の精度がサポートされていない場合があります。その場合、指定したナノ秒部分は無視されるか、切り捨てられる可能性があります。

pathlibモジュールを使用した最終更新日時の変更

pathlibモジュールは、Python 3.4以降で導入された、オブジェクト指向のアプローチでファイルパスを操作するためのモジュールです。より直感的で読みやすいコードを書くことができます。

pathlib.Path.touch() メソッド

pathlibモジュールでは、Pathオブジェクトのtouch()メソッドを使用して、ファイルの最終更新日時を変更したり、ファイルが存在しない場合に作成したりできます。

Path.touch(mode=0o666, exist_ok=True)

* mode:ファイルが新規作成された場合のパーミッションを指定します(デフォルトは0o666)。
* exist_ok:ファイルが既に存在する場合にエラーとしないかどうかを指定します(デフォルトはTrue)。Falseに設定すると、ファイルが存在しない場合にFileExistsErrorが発生します。

最終更新日時を現在の時刻に変更する例

touch()メソッドを引数なしで呼び出すと、ファイルの最終更新日時が現在の時刻に変更されます。ファイルが存在しない場合は、新規作成されます。

“`python
from pathlib import Path
import time

file_path = Path(‘my_file_pathlib.txt’)

# touch() メソッドで最終更新日時を現在の時刻に変更(またはファイル作成)
try:
file_path.touch()
print(f”‘{file_path}’ の最終更新日時を現在の時刻に変更しました(またはファイルを作成しました)。”)
except Exception as e:
print(f”エラーが発生しました: {e}”)
“`

特定の時刻に最終更新日時を変更する

pathlib.Path.touch()メソッド自体には、直接特定の時刻を指定する引数はありません。しかし、os.utime()関数を組み合わせて使用することで、pathlibオブジェクトの最終更新日時を特定の時刻に変更することが可能です。

“`python
import os
from pathlib import Path
from datetime import datetime

file_path = Path(‘my_file_pathlib.txt’)
# 変更したい日時を指定 (例: 2024年1月1日 12時00分00秒)
new_datetime = datetime(2024, 1, 1, 12, 0, 0)

# datetimeオブジェクトをUnixタイムスタンプ(秒)に変換
new_timestamp = new_datetime.timestamp()

# まず、touch() でファイルが存在することを確認(または作成)
file_path.touch(exist_ok=True)

# os.utime() を使用して最終更新日時を特定の時刻に変更
try:
# Pathオブジェクトから文字列パスを取得するために str() を使用
os.utime(str(file_path), (new_timestamp, new_timestamp))
print(f”‘{file_path}’ の最終更新日時を {new_datetime} に変更しました。”)
except FileNotFoundError:
print(f”エラー: ファイル ‘{file_path}’ が見つかりません。”)
except Exception as e:
print(f”エラーが発生しました: {e}”)
“`

この例では、まずpathlibのtouch()メソッドでファイルが存在することを保証し、その後os.utime()で目的の時刻を設定しています。

注意点と考慮事項

ファイルの最終更新日時を変更する際には、いくつかの注意点と考慮事項があります。

ファイルシステムの制限

* タイムスタンプの精度:OSやファイルシステム(FAT32、NTFS、ext4など)によって、タイムスタンプの精度が異なります。ナノ秒単位での設定を試みても、システムがサポートしていない場合は、より低い精度(秒単位、またはそれ以下)に丸められることがあります。
* タイムゾーン:os.utime()関数やdatetime.timestamp()メソッドは、一般的にローカルタイムゾーンを考慮してUnixタイムスタンプを生成します。UTC(協定世界時)で正確な時刻を扱いたい場合は、datetime.timezone.utcなどを使用して明示的にUTCを指定する必要があります。
* アクセス権限:ファイルの最終更新日時を変更するには、そのファイルに対する書き込み権限が必要です。権限がない場合、PermissionErrorが発生します。

ファイルの存在

* 操作対象のファイルが存在しない場合、os.utime()はFileNotFoundErrorを発生させます。pathlib.Path.touch()は、exist_ok=Falseでない限り、ファイルが存在しない場合に新規作成します。ファイルの存在を確認してから操作を行うか、例外処理を適切に実装することが重要です。

バックアップと復元

* ファイルのタイムスタンプを意図せずに変更してしまうと、バックアップソフトウェアやファイル同期ツールが正しく動作しなくなる可能性があります。重要なファイルを操作する前には、必ずバックアップを取得することをお勧めします。

OS依存の挙動

* 一部のOSやファイルシステムでは、特定のシステムファイルやディレクトリのタイムスタンプを変更することが制限されている場合があります。root権限や管理者権限が必要になるケースも考えられます。

まとめ

Pythonでファイルの最終更新日時を変更するには、主にosモジュールとpathlibモジュールが利用できます。os.utime()関数は、秒単位またはナノ秒単位でアクセス時刻と最終更新時刻を直接設定できる柔軟性があります。一方、pathlib.Path.touch()メソッドは、ファイルの存在確認や作成と同時に、現在の時刻への更新を簡単に行えるオブジェクト指向のインターフェースを提供します。特定の時刻への変更には、os.utime()との組み合わせが効果的です。これらの機能を理解し、適切な例外処理とOSの制限を考慮して使用することで、ファイルのタイムスタンプを効果的に管理することが可能になります。